『らせん』2012年(90分)
制作/根来祐 ( ねごろゆう )
岡山県倉敷市生まれ。二十歳から十年近く摂食障害を経験。数年自助グループに参加。映画、テレビドキュメンタリーの仕事を経てフリーに。 97 年に依存症をテーマに短編を三本制作。 01 年に摂食障害を扱った長編ドキュメンタリーを制作。祖母、母、自分の世代の労働とライフスタイルを並べた「 her stories 」などがある。消費と依存、モラトリアムと成熟拒否、身体、サブカルチャーにおける女子文化、労働行政と移民政策など様々なテーマで作品制作を続けている。
この作品には新卒採用予定だった企業の社長から性暴力を受けて裁判を起こした人、公共の場、路上を生活の場にしている女性、ブラック企業でくりかえしセクハラとパワハラを受け働くのが怖くなった女性・・・など様々な立場の人々が登場する。監督本人が受けた性被害体験をふりかえりつつ男性優位社会の中での被害者への二次加害に焦点をあて、回復とは何か?尊厳と自尊心を取り戻すとは何かについて問いかける。複数の女性達の体験とそこから生まれた言葉がお互いに影響を与えつつ折り重なっていく様を記録している。